陽の埋葬/田中宏輔
 



樹にもたれて、手のひらをひらいた。

死んだ鳥の上に、木洩れ陽がちらちらと踊る。
陽の光がちらちらと踊る。

鳥の死骸が、骨となりました。
白い、小さな、骨と、なり、ました。

やがて、木洩れ陽に温もったその骨は
手のひらの上で、から、ころ、から、ころ、

から、から、から、と、ぶつかりあいながら
輪になって舞い踊りはじめました。

わたしは、うっとりとして目をつむり
ただ、うっとりとして

死んだ鳥の歌に、
じっと、耳を、傾けて、いま、した。



  *



何を見ているの?
──何を、見て、いたの?


何も。


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