陽の埋葬/田中宏輔
 


嘘!


窓の外。


見ちゃだめだよ。
──ぼく、連れてかれちゃうよ。


えっ?


振り返ると、シーツの上には、
残り香の、白い、小さな、骨が、散らばって、いま、した。



  *



──羽根があれば、天使になるの?

そうだよ。
でも、いまは、毀れてるんだ。

──その腕に抱えてるのが、翼なんだね。

そう、抱いて、あたためてるんだよ。
つめたくなって、死にかけてるからね。

──でも、ぼく、そのままの、きみがいい。

そのままの、ぼくって?

──優しげな、ただの、少年だよ。

そして、天使は、腕をひろげて
もうひとりの、自分の姿を、抱きしめました。


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