路/あらい
うしようもない後悔が、憐れだと波に浚われる航海に取って代わる。逃れられない運命、偶然という必然だと紅梅は降灰に等しく自然に映し出す。それならばもう諦めにも似た産声と尽くと、未だ春まだ浅い生ぬるい風が背を軽くさせた。
ああ、気づいてしまったのだ。
いや築かれていった咲きなのだと、一瞬、曼殊沙華の苑を通過する。
ただ命の息吹だけが、燦燦と明朗に冴え亘り、わたしの、かげもかたちも見受けられないまま。
廃墟が連なる山脈に囲われ、犇めき合い盾のような蔦が幾重にも絡まる。地は人工的な石畳が残りその歪な隙間を赤茶けた土が埋めている。
青空が照り返し、そこに独り佇む。
路地だけでなく、
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