路/あらい
 
ならば。ゆめまぼろしでもねえ視界は動作不良をおこしたまま、暗転と交点を刺し互えていたはずだ。
 これが絡まり合う触手と幾重にももだついた、己の足元は不安定な泥の膿に溺れゆく、その前に土色の凪が鼠の死相を描いて見せた。
 この生はそのうち終わるのか。
 ただ定まらぬ永遠に思えるほど長く伸びた道に霞む、後ろを見ても前を向いても同じく、凡庸なありさまをエンドロールさながら映り出しているに過ぎない。
 在り来りな呪いに罹った天国への階段、地獄へと誘う永久凍土とも転げ落ちる、足取りは強制的に近く落下するようで浮遊するような至高天の断罪から。
 逃れることもできず見過ごすことも叶わない、そんなどうし
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