陽の埋葬/田中宏輔
 
歌いはじめた。

木洩れ日に、骨となって歌いはじめた。

──わたしの口も、また、骨といっしょに歌いはじめた。


三月のある日のことだつた。
(オー・ヘンリー『献立表の春』大津栄一郎訳、歴史的仮名遣変換)

木洩れ日に温もりながら、
縺れほつれしてゐた、わたしの眠り。
葬埋(はふりをさ)めたはずの小鳥たちの死骸が
わたくしの骨立ち痩せた肩に
その鋭い爪を食ひ込ませてゆきました。

その痛みをじつくりと味はつてゐますと、
やがて、その死んだ鳥たちは
わたしの肩の肉を啄みはじめました。

陽に啄ばまれて、わたくしの身体も骨となり、
骨となつて、ぽろぽろ
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