陽の埋葬/田中宏輔
けだった。
嬰兒(みどりご)は生まれる前から跛(びつこ)だった(この贋物め!)
口に炭火を頬張りながら、ひとり、わたしは、微笑んでいました。
噴き上がる水、散水装置、散りかかる水、
煌めくきらめきに、花壇の花の上に、小さな虹が架かる。
水の届かないところでは、花が死にかけている。
痙攣麻痺した散水装置が象徴を花瓣に刻み込んでいます。
かつて、陽の摘み手が虹色に印ぜられたように
──わたくしも、わたしも、その花の筵の上を、歩いてみました。
垣根越しに骰子が投げられた!
陽は砕け、無数の細片となって降りそそぐ。
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