この夢のどこかに/ホロウ・シカエルボク
 
なかった―小さなライトを頼りに売店の側にある階段を見つけ、暗く短い廊下を歩いて映写室へとたどり着いた、そこには、動き続けるアナログの映写機と首吊り死体が、ひとつ…テープはすでに終了していて、しかも切れてしまっていた、何かの尻尾のように末端が一瞬長く伸びてはまた飲み込まれた、死体は半分骨になっていた、死体についての知識は無いが、そいつが死んでしばらく経っていることは理解出来た、そいつはこちらを窺いみるみたいに少しだけ顔をこちらに向けていた、あんたがこれを撮ったのかい、と俺は話しかけた、返事は無かった、当り前だ、俺は構わず話し続けた、いい映画だと思うよ、少し短すぎるけどね…あの人形もあんたが作ったのか
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