ああ、次の波がもしも爪先にやって来たら/ホロウ・シカエルボク
で周囲に溶け込むのか、そういう人間が考えているのはそんなことばかりだ、波は寄せて引いてを繰り返す、そのリズムは決して一定ではない、でも誰一人その規則性を疑うことは無い、それは体内に刻まれているタイミングなのだ、呼吸と同じことだ、誰もが規則的に呼吸をしているわけではない、でもそれは規則性というもので確実に意識にインプットされている、こういうものは理屈じゃない、すでにそう書かれていることを一度素直に飲み込んでいればいい、その羅列を記憶しておけばある時、それが何について語っているのか突然わかる瞬間がある、人生とはそんな瞬間だけが記録されていくノートブックのようなものだ、流木の感触にも飽きてきてしまった、
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