皓/あらい
 
んだ脱衣所で やわらかな生死質量を測る、眼球幸彩によって
――熨せられるのなら

誰かの物差しの中でだけ 吐息を 
ゆらかしてあるだろうと しんぜませ、
(だから、ね。)ただ ほかかりゆさへ
とうとうと、決して 見るのです。

(花も咲かずに枝葉も枯れず、誰がなにをしておりましょうか、)
酒をしこたま飲んだあとでは、螺鈿の箱庭は、春にも冬にもなりません。
 
陰りが過(ヨギ)る、こなれた虫の音が背に腹に うねりそらせた
こうして終着駅に透るわたくしが ぽつんと他愛もなく おちてきたものだった
両手とは 天秤を拵え 瞼が 眠っている




いつだってそうだ 私
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