皓/あらい
 
 私達は形を探しているわけではない
凡て過去を引きずり出しているだけの ただの投影





それがひかりだというから
        そこはもう埋め尽くされ
やはりそこには自分すら映らないのに





白い埃が散る





しろいゆきのへやに しろいおんなのとりが、ほそりとしたすがたで
篝火を隠していたのです、ただ唇があかい実を咥えているのを、未
来に懐いました。枝葉が枯れたあとの要脈だけの、太い幹に 欠陥が
零れているので、折れた翼や 剥がれた川で、わたくしの夕暮れは、
ひたひたと雪がれていく、あゝ盲信なんだよ。






[次のページ]
戻る   Point(1)