皓/あらい
私達は形を探しているわけではない
凡て過去を引きずり出しているだけの ただの投影
それがひかりだというから
そこはもう埋め尽くされ
やはりそこには自分すら映らないのに
白い埃が散る
しろいゆきのへやに しろいおんなのとりが、ほそりとしたすがたで
篝火を隠していたのです、ただ唇があかい実を咥えているのを、未
来に懐いました。枝葉が枯れたあとの要脈だけの、太い幹に 欠陥が
零れているので、折れた翼や 剥がれた川で、わたくしの夕暮れは、
ひたひたと雪がれていく、あゝ盲信なんだよ。
皓
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