夜は明けるのだという寓話/ホロウ・シカエルボク
にしようと汗をかいているのだ
廃棄されたスクーターのボディを包む結露のように静かに、懸命に
あなたは生きた子猫の舌を抜いた
わたしはそれをオリーブオイルで炒めた
許されざる調理器の上げる煙は
とてつもない粘度でわたしたちの息を塞ぐ
例えるなら愛とはそのような行為の繰り返しだ
いつかわたしは、テレビで見たパーキングをうろつく半透明の幽霊を
とてつもないくらいの親近感でもって眺め続けていた
コンテンツのタイトルは忘れてしまったけれど
幽霊の空虚はわたしを頷かせるのには充分過ぎるほどだった
わたしはいまでも時々目が覚めたらそこに居るのではないかと思いながら眠る
欠損部
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