ダムド・ライフ・シカエルボク/ホロウ・シカエルボク
か、それだけはかろうじてわかっていたような気がする、そして俺はいつからか書き始めた、それは自分をとんでもないところへ連れて行くだろうとわかっていた、とんでもないものを背負うだろうことは…でも、だけどさ、混沌から逃れてしまったら人間はもう幾つかのプログラムに沿って動くだけの別の生きものになってしまう、俺はそんなものになりたくなかった、歳を取って、少しずつ壊れ始めてるいまだってそうさ、混沌に背を向けちゃいけない、それは、自分自身から逃げ出すようなものだ、命を持ち、心を持って生まれてきたものは必ず、混沌の中に身を置かなければならない、その中に在って初めて、己というものを考えるのだ、だからこそ人は壊れたが
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