ダムド・ライフ・シカエルボク/ホロウ・シカエルボク
 
たがる、誂えられた真実の中に価値ある者など無いと本当は理解しているのさ、俺は狂い続け、壊れ続けることを選んだ、だからこそいまでも書き続けることが出来る、世界なんて嘘さ、どこにもないのさ、存在しているのはいつも、俺の詩情だけなんだ、わかってくれなんて言わないよ、俺が欲しいものは理解なんかじゃない、俺の真実を、俺の真理を、畏怖のように見つめてもらいたいだけなのさ、人に染まり、人の世に染まり、その中で血を流し、誤差を見つめ…悟りを得るんだ、それは瞬間だけのものだぜ、悟りなんて嘘さ、ある時、ほんのちょっとのタイミングで、わかったような気がするだけなんだ、嘘を信じ続けるのさ、俺の魂は必ずその中で蠢いている、人の一生が教義や哲学や社会だけで片付くものなら、人間なんてとっくの昔にみんな化石になってるさ、僅かな人間が歌い続けてきた、僅かな人間が叫び続けてきた、この命を繋いでいるのはそんな人間たちの紡いできたものの延長線上にしかないんだ、俺を見ろ、俺は嘘だ、そして―生き続けている。


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