転生の樹/ただのみきや
 
て∞を描く
稲妻のように素早く
だがことばは鈍重だ
理屈に支配されて
本音と建て前のスプリットタン
そんなことばをつなぎ合わせて
時間を行き来して来たのに
ああ膝枕藤の花
わたしを見下ろす白骨の人

  *

昨夜の酒がすっかり抜けて
頭の中がすっきりしている
痛みはどこかに必ずあるが
いつもは大体わすれて歩く
天気が良ければ仕事も楽だ
陳腐なことばをつないでみるか

わらべの声がどっからかして
あまたのことがはっきり見えた
悩みはいつでも必ずあるが
水面に正体映して笑う
タンポポ避ければ人にぶつかり
啖呵の後にはしどろもどろに

  *


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