誰かが遠くで笑ってる/ホロウ・シカエルボク
くらい経っていた、でもそれは全然終わるようには見えなかったし、始めた以上途中で投げ出すつもりもなかった、なんならレジ袋を五重くらいにする意気込みで臨んでいた、太陽がてっぺんに昇ると随分暑くなった、オフィス街に突入して、偉そうな服を着て偉そうな歩き方をしてる男や女が増えた、ジムでしこたま鍛えてるやつか、稼ぎのほとんどを脂肪に変換してるやつの二種類しか居ないみたいに見えた、そんな中を半袖シャツとジーンズを身に着けただけの俺が時々かがんで薬莢を拾っているさまはさぞかし異様だろうなと想像がついた、裏通りへ回って摩天楼に隠された前時代的な小さなオフィスビルの裏口で金ばさみを見つけてそこからはそれを使った、ま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)