照準鏡の軋む声を/ホロウ・シカエルボク
 
、そんなものがもしも居るとしたら、そいつはいったい俺の為に何をしてくれるというのだろう?あいつらは目の前で幸せを演じてくれるだけだという気がする、俺はゴミ箱に嘔吐する、天使を殺してしまえば永遠の罪に問われるかもしれない、だけど、いま目の前にそいつが現れたなら、余程の自制をしなければ俺はそいつを捌いてしまうかもしれない…三丁目の試着室で死体がひとつ見つかったって、ラジオが…ああ、俺の幻に引き摺られてしまったのかもしれないね、アルコールが引き潮みたいに身体から居なくなり、ほんの少し寒さを感じた俺は正気に戻る、試着室のニュースだって少しは関係しているかもしれない、だけど何故だろう、醒めてしまったあとのノ
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