詩情よ、その街路を/ホロウ・シカエルボク
 
を言ってるよ、俺は絶対にあの映画を否定したりしない、明け方間近、薄暗い部屋の中で胡坐をかいて、ボヤのように白々とし始める空、接続不良、失われた眠りはただただ欠伸の製造機になる、温度のわからない汗が滲む、今日の出来事のすべては目に見えている、禁忌を侵したから人間は生まれた、そうだよね?なのに救済されたがっている、笑わせんなよ、道端で野良猫のように滅びるがいい、純粋で照準の定まらない憎悪、自己嫌悪の二軒隣、空っぽのビルのテナントの床に転がったゴキブリの死骸とのシンクロニシティ―、どんなんだっていいんだよ、リズムがそのまま声になれば、魂が求めているのは論理的展開じゃない、声帯が思うように踊ればそれだけで
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