詩情よ、その街路を/ホロウ・シカエルボク
 
濯機を回す、回しながらラジオを聞く、デビッド・ボウイの追悼特集をやっている、ティン・マシーンが聴きたくなったけれど一曲も流れなかった、レッツ・ダンスなんて別に聞かなくてもいいのに、天気予報のチャンネルを探す、雨が降らないのなら少し散歩に出てもいい、雨が降るのならなにか読み耽るものを探せばいい、インプットとアウトプット、食欲みたいに求められたら一番幸せ、どうしたって実感し続けられるわけはない、それには必ずタイムラグがある、すべて終わってから初めて気づく時だってある、だから手にしたものと失くしたものを気にし過ぎる必要はない、すべては去っていき、すべてはやって来る、花粉や糸くずのように僅かなものたちが付
[次のページ]
戻る   Point(3)