ASCHE UND LANGE /アラガイs
も、何をするにしても誰かに見守られている。日常生活の中でいつもそれとなく感じるのだ。このことは先に兄弟を亡くした同じような人々には通じ合う思いがあるのではないだろうか。
ところが、この身内からのお守りという効能も両親の死と伴に歳月を費やすと徐々に薄れていくようだ。
一度離れてしまった影はもう後戻りしない。あなたはいつまでもそれを追いかけるのだ。
若者たちの存在が矮小化されて第三の波が訪れる。新たな黒船は迷彩色に染まる巡航船のようなもので、それを出迎える係官の人数は千人に一人の割合だ。圧倒的に働き手が足りない。統計によればこの国の高齢者が占める国民の比率とは正反対に数の少なさであ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)