ジェンガティンガ司令/足立らどみ
ジェンガティンガ司令
来る日も来る日も定位置まで数メートルを進む。食べるため生きるために日々が変化の暮らしの繰り返しのなかで一挙一動ひと言葉ひと言葉が命とりになる世界で生きてきてこれからも生き続けるしかない「私」と。「貴殿」とでは全く違う一生なんだ。たぶんもしかすると立ち位置が逆の人生なんだ。楽しいとか嬉しいとか悲しいとかではなく「私」は個として賢くなる一方であり「貴殿」とは更に距離が広がっていくだけのことだ。
「私」を守るために「私」は個としても賢くなるだけで普通のたいして頭が良いわけでも偉いわけでも貴族なわけでもなんでもない。もしかすると「私」より自由に生きている「貴殿」は小さな真
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