裏庭/由比良 倖
がいました。
デュシャンだったでしょうか、気が利いていると思います。
自然は美しくても、触れられないけど、
あなたの影であるあなたの櫛には触れられる。
出来れば僕は、あなたの枕を借りて眠りたいのです。
それは届かない夢の影。けれど心を温めてくれる。
信じて欲しいのですけれど、僕はあなたに何ひとつ求めない。
手を繋ぎたい。例えそれが夢の温度だったとしても。
手を繋ぎたくて右往左往していますが、
右往左往や躊躇いや戸惑いだけが僕なのではないでしょうか?
キスよりも微笑みが交流なのではないでしょうか?
例えば無口でも無表情でも、時に仕方なくみたいに、
無理
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