佐々宝砂『星涯哀歌 1』によせて/角田寿星
「すべての生命は海から生れてきた。じゃあ、星はどっから生れてきた?」
そう、宇宙だね。ぼくらの生命の、おおもとの、そのまたおおもと。
ぼくらが海に郷愁を感じるように、宇宙に郷愁を感じるのは、けして不自然なこっちゃない。
宇宙にはメランコリーが意外とよく似合う。
佐々宝砂(敬称略)『星涯哀歌 1』。
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=37486
宇宙はひろすぎるんだ、とにかく。こんな銀河の隅っこじゃあ、光なんか、遅くって、まだるっこしくって、やってらんない。
この世には光より速いものが、少なくともふたつあるんだ。ひとつは、人
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