幽隠偶感/あらい
 
 ひととひとへ、繋ぐ糸は剥がれていきます
 たくさんに撚り合わされたものも、どうせ必ず滅びるものです
 ほら小難しい顔で/畏まってはどう致しましたか
 決してもむず痒くはありませんか

 いっそ振りほどいてしまえばいいのに、己を正当化するために折りたたんでは、祈り紡いでは、織ってもどうせ呪いにしか成りませんが。
 祖の意図、今更カタチにしたところで朧気な月夜の酔狂な宵にしか現れぬと、真実などと光源いたしたところで輪郭だけが鮮明で、中身など腐りきったもの、等に風化し空っぽにしか過ぎませんが。

 なにか、私として、ひとつ、置いてしまいたいのですね。

 貴方様はそう比(たぐ)せら
[次のページ]
戻る   Point(0)