幽隠偶感/あらい
せられると――
その道に正しくはあるのだと、窮屈にも柵と置いた箱庭の瞼を開いておしまいに生られました。
伝え技(ぎ)いたわけでもないが、泥濘にも善いところがあるといいます。枝道に差し掛かり迷路に行きあたる。標識のない迂回路には浮き橋が罹るのだと、
「見な、振り返るだけのことだろう。」
けばけばしい紋様が頬にカラダに、遠げに則した花道が向こう岸へわたる獣道を覆っていた。飛び石にはちいさく枯山水には諄(くど)く、最果てには遅く旅の空と翔けるという。
笑人、カイナ 一糸 綴じ梟
[それは奇麗な泥でした。]
雛が孵るように物憂げに遠くを見詰める。
凌駕する左手はそえ
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