繭に成る それが だ。/あらい
 
タからドウドウと流さ
 れていた、時代も歴史も空になるまで月陽を与え風化するほど 傾いて

――カラダはもうなかった
 (ほら、どいつもこいつも わたしから と 離れようとしない か)

薬指には琥珀蝶、唇には迷酔蛾を。
硝子のオルゴールが砂にかわるころ
カレイドスコープを抜け出して
月食の元を絶ちます。
角を亡くした手鞠が気ままに転がっていく。
この鬼ごっこも追いかけてもまだ自由でした。
                     其後に灯籠が経ちました、
                   ただ明りは知っているだけで。
                   誰もい
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