繭に成る それが だ。/あらい
もいない近くて遠い場所で、
わたしが お隠れになったあとで。
ボクの言う宝石はキミのところで、心臓にあたるところで
どうせ真直ぐに嗄れて。だとしても――炎の色に似ていた
――嘘ばかり/騙されてる
――天地が逆さまだよ
――堕ちないように溢れないように
「きこえないか?」
ささやかな風が耳朶に触れ頬を霞め輪郭を消す
近すぎる花火が網膜を焼いた それだけの指をなぞらえる
たった一片の ものは はじまりだった
たぶん私以外のすべて
特定の何かを保たない
/愛すべきヒト/亡くした家族/報われなかった、過去
生まれ得ることのなかった未来
懐古の天壌は 在りし日よ ―― わたしからみた、わたしいがい
視界にうつるもの総て、想像すること凡ての
『彼方』よ。
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