繭に成る それが だ。/あらい
 
薬指には琥珀蝶
唇には迷酔蛾を
硝子の自鳴琴が砂にかわるころ
万華鏡を抜け出して
朔の元を去ります。 

角を亡くした手鞠が気ままに転がっていく
この鬼ごっこも追いかけるのもまた自由でした
           其後に灯籠が経ちました、
         ただ明りは知っているだけで
              誰もいない近くて遠い場所で、
                  幼子はお隠れになったところで。
無意識の石の意図を糸に潜して置く。すると死や霊や念みたいなものが
栄えてくる。狂ワの民が持つその童歌に礼は 自然と生えているものか。
         夏の盛りを過
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