俗説。我らが啼泣/あらい
ほら甘くて冷たい――
あんた、天使さま……だったんだろうな。羽根はもぎ取ったこの腕で括ってやった、何処にもいけないように。全部引きちぎってもう、残るのは心だけだって「もう、知ってるか。」
愛恋夢希望、みんな死んじまったな。お先真っ暗だ、道が見当たんねえんだよ。そうだな〜何も考えたくないし何処にも居たくない。正直どうでもいいんだ、どうしようもねえだろ。逃げらんねえのよ、なにしたってな、その時が来たら、よりよい選択なんて悠長なことありえねえし。
波間だよ、深い海の境目に中るこれはね、これが幸運だって抱き込んで言い聞かせてる。それが振り向かない呪文で振り返らない願い。だって唱え
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