投函/あらい
露ですが
リフレイン・ノイズと滴っていったのです
ふたりの誰かは知らないままに
夜着の裾を浚うばかりの白昼夢をすり抜け
暗礁に打ち付け障壁を暴いたとしても
届かなかった| 壁 |の中へと戻ることは叶わないのです
滲んだページと一枚破り なかったことにしようとしても
今では低いすべり台から 未来へ向かって捨てたところで
白紙のくせに 訛っている
耳ざわりの酔い
誰かの
歓声が 慟哭が 傷を遺し
――つづけて行った――
あれは ヒンデンブルク飛行船の優雅さ
あれは ほど近いほど遠い目を滅した零の戦闘機
それは 何の種か
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