投函/あらい
 
種かは わからない風船を膨らませ

 紙飛行機に乗せた原文を、
 だれもが真実から離れたところで掲げ
 その名前も人生も、
 思いも祈りも紐解けやしないのに
 簡単に未来にのせて、疾走らせる、

 だれも 停められやしないところへ
 みなが 照らされるこころで

 落下していくばかりのいまは時代錯誤に貶めて
 また誰かの首を締めあげ、また誰かと共に歩んでいた


 消せるボールペンで書かれた手紙にはきっと
 ボクが死んだら一緒に燃やして下さい
 とある時代が生んだ引出物を破って
 喉に貼り付けた 濁声より バイク便より
 私を描いた物語より詰まらないものでした
 沙羅と吹き抜ける ひとひらは ありふれている
 今、記すべき言葉が どんなに照らし合わせても
 記号化された教科書像では 見つかることはありませんから
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