In the next life/ホロウ・シカエルボク
いるうちに二時間ほどが経過している、胃袋が動くのは昼前からだ、だからその頃になるとなにか腹に入れるものを買いに出かける―買い溜めはしない、時間は腐るほどあるし用事はやり尽くしている、一日に一度の薬を飲み忘れなければいいだけだ、俺は詩極シンプルな面倒臭い虫のようなものだった、そのことに関して特別なにかを思うことはない、自分の羽音を煩わしいと感じたところでちぎり捨てることなど出来るわけもない、買物には時間がかかる、俺は小麦を摂ることが出来ない、グリアジンという成分が身体に入るとアナフィラキシーを引き起こすことがある、そのことが判明するまでに二度、死ぬような目に遭った、二度目には乗せられた車椅子が動き始
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