In the next life/ホロウ・シカエルボク
 
しているし、これといって印象深いような場面もなかった、スマートな窒息を概念的に体感しているみたいな夢だった、これだったら眠らない方がマシだ、ベッドの中で目覚めると俺は、まるでこれから眠るみたいに上体を起こしてぐったりとうなだれ、このまま目覚めてどうするのだと自分自身を問い詰めるのだ…朝食はインスタントコーヒーのみだった、本当はコーヒーじゃなくても良かった、でもそれは宿命的にそういうことになっていた、だから抗おうとも思わなかった、そんなことをしてもただでさえ崩れたままの調子がさらに悪くなるだけなのだ、それから洗面所で顔を洗い、百面相を繰り返してからリビングのソファーで雑誌のページを捲る、そうしている
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