In the next life/ホロウ・シカエルボク
っていた、そこさえ見つけることが出来れば解けないことはないのに、見つけられないなんてことがある筈も無いのに―眠ることを諦めると決まって散歩に出かけた、俺にとって真夜中はただの真夜中だった、それだけだった、近所を歩けるだけ歩いて、歩き尽くすと、次第に海の方へ歩くようになった、新しい、海までの数キロを真っすぐに突き抜ける連続するトンネルを抜けて海岸沿いに出ると、潮風に叩かれながら水平線から太陽が昇るのを見つめた、そうして明け始めた街を横切って部屋に帰ると、ようやく数時間眠ることが出来た…眠ると必ず奇妙な夢を見た、気乗りしない時に観るゴダールの映画のように忌々しい、勿体ぶった調子の夢だった、筋は破綻して
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