修羅/なつき
 

いつかの恥、忘れ去ろうと
悶えて、足掻いて、それでも
凛として、人らしく在れたなら
もう十分
君になら、今だから云う
ありがとう、それだけをなお
去来するのは、寂しさとともに
本当にそれだけ

無我夢中で生きたなら
きっとまた会える筈で
何処かでまた
互いの道、交わる筈
その日まで、一歩ずつでも
前に進もう
秘めたる思いはおくびにも出さずに
さようならには、まだ早い
愛しているかは、判らない
だからもう一度
君になら、ありがとう

今だから思う
心より、君がいつかの星空のようで
遠き夜
プルシャンブルーの宙に溶けて
宵闇の中
君があの日の星空の
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