修羅/なつき
 
空のようで
だから僕も、今もツンとした
この青空の一部になって
君の逞しい魂に
いつか会いに行くから
その日まで、頑張ろうね

本当なら表面の削れ切ったこの硝子細工の心の奥の奥まで杭で貫きぶち壊したくて
もう本当に何もないから
愛も夢も居場所も明日も希望も安らぎも
本当に何もないから
崩れて拉げて腐って泣いて砕けて散って
それでもまだ諦め切れなくて
ここにきて、己もまだ人間であることの証が、漸く出てきた
そんなことにすら気付けないでいて
あぁ、馬鹿だったんだな、自分
そう思って
一晩中泣いた

心の奥、まだ痛む
腐乱したままの表面のびらん
そのまま温めて
包み隠さず生きてゆく
僕ならまだ大丈夫
いざとなったら
もう一度、また馬鹿になるから
それもまた今生あればこそ
あればこその、修羅の道
これあればこそ、人の世もまた上等なり
戻る   Point(2)