CLOSE TO THE EDGE。/田中宏輔
る●おがくれる●あがくれる●いがくれる●うがくれる●えがくれる●街は金魚に暮れている●つねに神は徘徊する●ぼくの指たちの間を●もくもくと読書する姿が見える●そのときにもまた●ぼくの指の間を●神が徘徊しているのだ●ぼくは●もくもくと読書している●図書館で●ぼくは●ひとりで読書する少年だったのだ●四年生ぐらいだったかな●ぼくは●なんで地球が自転するのかわからない●って本に書かれてあるのにびっくりして●本にもわからないことがあるのだ●と●不思議に思って●その本が置いてあったところを見ると●書棚と書棚の間から●死んだパパそっくりの神さまが●ぼくの方を見てるのに気がついた●すると●ぼくの身体は硬直して●ぼく
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