CLOSE TO THE EDGE。/田中宏輔
 
ぼくは気を失っていた●ぼくが気を失っていた間も●ぼくの指の間を神は徘徊していた●地球がなんで自転しているのかって●それからも不思議に思っていたのだけれど●だれもわからないのか●ぼくが●この話をしている間も●神さまが●ぼくの指の間から●ぼくのことを見張っている●ぼくの指は●神さまに濡れて●血まみれだった●憎しみの宴が●ぼくの頭のなかで催されている●きょうは●一晩中かもしれない●額が割れて●死んだ金魚たちがあふれ出てきそうだ●頭が痛い●額が割れて●死んだパパやママがあふれ出てくるのだ●ぼくはプリン●ぼくの星の運命は●百万光年の●光に隠されている●光に隠されている●いいフレーズだな●影で日向ぼく●ぼっこ
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