ある日、なにもかも塵のように/ホロウ・シカエルボク
けど―仕事が終わる頃に私のところに来てください、女はそう言い残していった、俺は手持無沙汰になり、いったん病室に寝ている自分を覗きに行ってみたが、やはり姿を見ることは出来なかった、それにはいったいどういう理由があるのか、夜、再び女と会ってから俺はそう尋ねてみた、「まあ、なんていうか、あなたの魂があなたの肉体を認識出来なくなっている、という状態、です」「そんなことあるんだ」「理由のわからない昏睡とか、だいたいそうですよ」「君、いったい何者なんだ」「親が…神職ってだけですよ、それも、代々続く、力を持った家系っていう、それだけです」「君は何故普通の仕事をしてるの?」「兄が家を継いだもので」と、いうような話
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