ある日、なにもかも塵のように/ホロウ・シカエルボク
 
所教えてください」―そんなわけで俺たちは俺の部屋にやって来た、「鍵、開けてください」ポストに入ってる、と俺は答えた、「不用心ですよ?」「取られて困るものも、入られて困ることも特にない」女は唇を尖らせて肩をすくめた、部屋に入ると、女は俺が寝ていた場所を眺めた、そして、思った通りだ、と呟いた、「なにが?」「あなたに見えてないだけなんですよ、あなた自身が」そう言いながら女はスカートを脱ぎ始めた、「いや…なにやってんの?」「いや、せっかくですから」「まる見えなんだけど」「ご自由にどうぞ」…というようなことがあって、女はなんでもなかったような顔をして救急車を呼んだ、救急車の中に潜り込んでも俺には自分の姿は見
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