壊れてからがとても長い/ホロウ・シカエルボク
まにテーブルに放り出されるだけのものが増える、たぶん俺は、どこかに無駄を作りたいのだ、人生に合理性を求めるやつは馬鹿だ、人生は降り積もる無意味の中から、時折心を激しく揺さぶるものに出会うためのプログラムなのに―デジタル時計は16時38分を表示する、昔みたいにパネルを捲って知らせてくれないか、と俺は無理なオーダーをする、時計を買う時にあのタイプを探し回った、でももうどこにも売ってなかった、壊れたものがアンティーク・ショップでバカ高い値段で売られていただけだった、動かないのにどうしてこんなに高いのかって、俺、訊いてみたんだ、店員は澄ました顔でこう言ったよ、飾り物としての価値ですから、って…俺は価値とい
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