母の背中/ベンジャミン
 
感情が表に出やすいのは
母ゆずりだ

そんなところだけでなく
顔も話し方も似ている
考えていることも何となく
わかってしまうのだ
けれど

母は僕の拒食を理解できない

夕食どきになると
そんな口論が始まるのはいつものこと
分かり合えないことを
話し合うことは無駄かもしれない
それでも口論を続けるのは
けして憎いからではないのだ

(わかっている)

毎晩きちんと
一人分の食事を用意する母の気持ちも
それを無理やり詰め込み
そして吐く僕も

(わかっている)

今日も
夕食を詰め込んで吐いた
僕が戻ってくると
母は
顔をふところにうずめ
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