キリエル人(きりえるびと・ウルトラマンティガ)/角田寿星
命が取り囲む。
光を! ティガに光を! 悲痛な叫びに感応し幾多もの灯が点っていく。
人類如きの放つ光でティガが蘇生する筈は無い
というのに。
そのキリエル人はひとりの老人をキリエル人の世界に招待した。
老人もまた顕れたキリエル人を悪魔と呼びキリエル人の世界を
地獄と称した。単純に次元の相異が為せる業である。三次元人の眼では
キリエル人の時空は視る能わざるものであり老人の視たくさぐさは
老人の創造を具現化しその網膜に転写したものに過ぎない。地獄の門も
また然りであった。
キリエル人にとって老人の望みを叶えるは容易かったし契約の魂を
欲しくはなかったが人類の魂自体に興味を持っ
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