キリエル人(きりえるびと・ウルトラマンティガ)/角田寿星
持った。有機体の稼働停止
とともに精神が消滅し逝く瞬間 キリエル人は時制を延伸し
老人の思念を手に摂ってまじまじと観察した。
そのキリエル人は背後からの煌きに襲われ悟った。光に立ち遮り
光を駆逐するものは闇ではなく 更に目映く強い光なのだ と。
光の集合体がスパークしティガの躰が再び輝きを増すと同時に
キリエロイドの光は意味を喪った。ティガの両上肢が水平に開き
クロスした腕が発光する。
ゼペリオン光線。
未だ経験のない強い光を浴びキリエル人の躰は分解した。思念の
生命体であるキリエル人にとって肉躰の消滅は大した痛手ではない。
キリエル人に宿る光がティガの光に敗れ去った――
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