キリエル人(きりえるびと・ウルトラマンティガ)/角田寿星
 
。キリエル人の思念が巨人の思念を抱き留めよう
として記憶が途絶えた。悪意なき悪の存在を認識した生涯幾度目かの
瞬間だった。

そのキリエル人の眼前にどうしても乗り越えるべき障壁が訪れた。
信じ難い事にそれはひとりの人間――光となったマドカ・ダイゴであった。
いくつかの選択肢があった。キリエル人の結論は人類の殺戮と洗脳
さらにはマドカ・ダイゴことウルトラマンティガの排除だった。
巨大化し闇夜にティガと対峙する白のキリエロイド。
膂力を増幅しティガと格闘する朱いキリエロイド。
翼を得て穹を舞いティガを踏みつける蒼いキリエロイド。
敗れて地に塗れ動かないティガの巨躯をちいさな生命が
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