キリエル人(きりえるびと・ウルトラマンティガ)/角田寿星
 
千トンの物体が減速もせず
地表に激突した災厄が惑星全体に及んでいた。爆風をまともに受けた個体は
瞬時に跡形もなく消えそれを免れた個体も植物は自然発火し動物は血液が
沸騰した。空を熱された雲が覆い大気は燃え地表温度は摂氏百度を超えた。
地は裂け極地の融けた波が襲い峯は瓦解した。
後の世の調査に依ればこの大災害で惑星上の体重20?以上の陸棲生物は
すべて死滅したと云われる。灼かれた大気を漂いながら夥しい生命の
慟哭を聴きキリエル人は深い哀しみを精神に刻む。躰は消滅していたので
嘆息も涙も叶わなかった。

そのキリエル人は人類から悪魔と呼ばれた。世のことわりで説明のつかない
事跡を
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