流線型のその先に/ベンジャミン
 
の中でさえ
あの眼差しはどこまでもやわらかく
地平線をぬっていたに違いない

しっかりと大地を踏みしめていた脚を
折り曲げてその重たい身体を
横たえるとき
再び立ち上がるためには
いったいどれほどの力が必要なのだろうか

ふるえる脚を黙らせるように
自分の身体に問いかけてみる

ほそめていた眼をひらけば
薄くにじんだ星の輝きは色を増し
くっきりとした現実を浮かび上がらせている
星をたたえた瞳は
どんなにかきれいに見えるとしても
そこには草原はなく
見渡すような地平線は遮られている

けれど
まだこうして立ち上がり
空を見上げることのできるこの身体を

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