詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
る夜、ひとりの女性の美しさに目覚めた労働者がいて、それが伝染して暴動が起こり、工場や農場の持ち主の妻や子どもたちを殺したうえに工場や農場を焼き払った。

 6作目は、ミロスラフ・イサコーヴィチの「消失」実験が行われた。実験を行った博士一家は姿を消していた。メッセージが出された。メッセージを受け取ったものもメッセージを伝達した。人類が滅亡するという決定が下っているのかもしれない。これは、作品としてはつまらない、くだらないものだった。

 7作目は、カールハインツ・シュタインミュラーの「金星最後の日」遠隔操作型のロボットを操縦している男が主人公。金星に地震が起こり、危険なバクテリアが研究所に残
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