詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
捨てた男が、地球へ行きたいとロボットに訴える。何ができるかと訊かれて、まともなことは何もできないと言う。ロボットは困り果てる。それでも人間なので、地球行きは認められる。
12作目は、チェルナ・イョジェフの「脳移植」大統領が交通事故で医院に運ばれてきた。反体制側の人間である医師は、反体制側の部下の教授の脳と大統領の脳を交換する。手術は成功した。反逆が起こり、教授も、大統領の身体をした部下も殺される。
13作目は、ジミトル・ペーエフの「マホメットの毛」マホメットの毛だと伝えられていたものは、じつは宇宙人が残した記憶だった。一本の糸に残された記憶は十万年ほどのむかしの記憶で、宇宙人がただ
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