詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
 

このとねりこの木々の中にいるからだ。

(エズラ・パウンド『とねりこの木』小野正和・岩原康夫訳、詩集『消えた微光』19ページ)


二〇二一年六月二十日 「息子」


 フィリップ・ホセ・ファーマーの『奇妙な関係』、やっぱりおもしろいわ。『東欧SF傑作集』の上巻と交互に読もうと思って、きのうまで、そうしてたんだけど、フィリップ・ホセ・ファーマーのほうを先に読みすましちまおうと思う。読むのがやめられないというのは、ここさいきんには、なかったことだ。

 フィリップ・ホセ・ファーマーの短篇集『奇妙な関係』の4作目は、「息子」妻と別れたばかりの主人公は母が待つカリフォルニアに向
[次のページ]
戻る   Point(12)