詩の日めくり 二〇二一年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
。皆は宇宙船に乗った。〈父〉は惑星にひとりぼっちで残された。

 この作品には、エズラ・パウンドの詩句を思い起こさせるようなセリフもあって、なかなか楽しませてくれる。「動物たちは異常なことが起こっているのを知っているのです。森全体が目覚めている」(フィリップ・ホセ・ファーマー『父』大瀧啓裕訳、181ページ)「森全体が目覚めている」というのだ。

 エズラ・パウンドの詩集を3冊、本棚から出して、「森全体が目覚めている」に似た詩句を探した。『大祓』、『仮面』、『消えた微光』のページを繰ってみたのだが、見つからない。記憶違いか、ぼくの探し方が粗かったからかもしれない。しかし、ひさしぶりに書肆山田
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